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中小企業診断士講座の合格実績はどこまで信用できる?公表方法の「透明性」を全社比較

最終更新日: 2026年7月26日(各社公式サイト・日本中小企業診断士協会連合会の公表情報を確認のうえ更新。数値・公表方法は年度で変わります)


なぜ「合格率の高さ」ではなく「透明性」で比べるのか

診断士講座の合格実績は、各社で定義がバラバラです。

  • 「合格者数」だけを出す会社(母数=受講生数が不明)
  • 「合格率」を出すが、自社アンケート回答者ベースの会社(母数の取り方に注意が必要)
  • 体験記だけを掲載する会社
  • そもそも公表しない会社

数字の大小をそのまま比べることには意味がないため、当サイトは「どれだけ誠実に開示しているか(透明性)」を評価軸にしています。これは当サイトの5軸100点評価のうち「合格実績の透明性(20点)」の根拠データでもあります(評価基準・レビューポリシー)。

透明性4分類の定義

分類 定義 透明性の評価
A. 実数公表 合格者数を具体的な数値で毎年公表 高い
B. 率のみ公表 合格率を公表するが、母数が自社調査・アンケートベース 中(注記必須)
C. 体験記のみ 合格体験記・合格者の声を掲載(統計数値なし) 低め
D. 非公表 実績の訴求自体をしない 評価対象外(低価格サブスク等は設計上の理由もあり)

令和7年度(2025年度)試験結果(全体)

各社の実績を見る前提として、令和7年度中小企業診断士試験の全体結果は次のとおりです(日本中小企業診断士協会連合会の発表にもとづく)。

  • 第1次試験: 合格率23.7%
  • 第2次試験(筆記): 受験者7,044名・合格者1,240名・合格率17.6%(筆記合格者=口述試験を受験する資格を得た者は1,241名)

全社分類表(2026年7月26日時点・当サイト調査)

講座 分類 公表内容の要点 注記
スタディング A. 実数公表 令和7年度(2025年度)試験の合格者「実数」を公式サイトで公表(1次試験合格者517名、2次試験合格者176名) 合格率は非公表だが、実数開示は業界内で高い透明性
TAC A. 実数公表(グラフ形式) 公式サイト「合格実績(合格者数)」ページで年度別の1次・2次合格実績をグラフで公表 合格率は非公表。グラフ画像のため具体的な数値は公式サイトで直接ご確認ください
MMC A. 実数公表 「合格実績ならMMC」を掲げ、合格者数を公表する方針 最新年度の具体数値は公式サイトでご確認ください
EBA B. 率のみ(分析ベース) 自社受講生の再現答案等をもとにした合格者データ分析を公表(令和6年度は122名分のデータを分析) 受講生全体の合格者数・合格率そのものの公表は確認できず
アガルート B. 率のみ 令和7年度実績として1次試験52.17%・2次試験44.44%を公表 合格発表後のアンケートおよび合格特典申請時のアンケートに基づく自社集計。母数は有料受講生のうち回答者のみで、資料請求のみ・無料受講者は含まない
診断士ゼミナール B. 率のみ 2025年度実績として1次試験64.3%(回答626名中403名)・2次試験41.7%(403名中168名)を公表 2026年4〜5月に実施した自社アンケートの回答者ベース。受講生全体の実数ではない
ココスタ(無料) B. 率のみ 参加者の2次合格率約40%を自称 自己申告ベース。参考値として扱うべき数値
LEC C. 体験記のみ 合格体験記中心 合格率・合格者数の統一的な公表は確認できず
AAS C. 体験記のみ 合格体験談中心 統計的合格率は非公表
TBC受験研究会 C. 体験記のみ 合格体験記250名以上を公式掲載 合格率は非公表
クレアール C. 体験記のみ 「合格者続々輩出中」として合格体験記を掲載 具体的な合格率・合格者数の公表は確認できず
大原(パススル) C. 体験記のみ※要確認 体験記中心 数値公表の有無は要確認
KEC C.〜※要確認 「合格実績多数」を掲げる 具体数値の公表方法は要確認
ユーキャン D. 非公表 合格者数・合格率の公表を確認できず
オンスク.JP D. 非公表 合格実績を訴求しないサービス設計 入門・補助教材の位置づけのため妥当

※本表は各社の優劣を断定するものではなく、公表「方法」の分類です。B〜Dであっても講座品質が低いことを意味しません。

実例:同じ「合格率」でも、注記を読むと意味が変わる

抽象的な話をしても伝わりにくいので、実際の公式サイトの表示を2つ見てください。どちらも誠実に注記を出している例です。

アガルート中小企業診断士講座の合格率表示と注記
アガルートが公式サイトに掲げる令和7年度の合格率。数字の下の注記に「有料受講生のみ」「合格発表後のノベルティ付きアンケートの回答をベースに算出」と明記されている——母数の定義はここに書かれている出典: アガルートアカデミー 公式サイト(2026年7月26日取得)

アガルートは「1次52.17%・2次44.44%」という高い数字を掲げていますが、その下の注記に「有料受講生の合格実績」「資料請求のみの方や無料商品を受講されている方は含まれておりません」「合格率は合格発表後のノベルティ付き受講生アンケートの回答をベースに算出しています」と明記されています。

つまり母数は「有料受講生のうち、特典付きアンケートに回答した人」です。合格した人ほど回答するインセンティブが働く設計なので、数字が上振れしやすい構造だと理解したうえで読む必要があります。これは不誠実という意味ではなく、注記でそう書いてあるとおりに読めばよいということです。

スタディング中小企業診断士講座の合格者数に関する注記
スタディングの合格者数の注記。「1次2次合格コース」「2次合格コース」受講生を対象とした2026年2月5日からのアンケートに基づき、2026年5月1日時点で合格が判明した数と定義が示されている出典: スタディング 公式サイト(2026年7月26日取得)

スタディングも同様に、合格者数の定義を注記で開示しています。「1次2次合格コース」「2次合格コース」の受講生を対象としたアンケートに基づき、2026年5月1日時点で合格が判明した数という定義です。

したがって当サイトの分類でいうと、スタディングも「アンケートベース」である点はアガルートと同じです。違いは率ではなく実数で出しているため、他社と横並びの比較に使いにくい代わりに、盛りにくいという点にあります。

結論:見るべきは数字ではなく注記

合格実績を比較するときに本当に見るべきなのは、大きく書かれた数字ではなく、その下に小さく書かれた注記です。注記を出していない会社の数字は、そもそも比較の土俵に乗りません。

逆に言えば、注記をきちんと書いている会社は、それだけで一定の信頼に値します。当サイトが「率の高さ」ではなく「透明性」で評価するのは、この一点に尽きます。

読み方のポイント(数字リテラシー)

  1. 「合格率○%」を見たら母数を確認する: 全受講生か、アンケート回答者か、答案提出者かで意味がまったく変わります
  2. 「合格者数」を見たら期間を確認する: 単年度か累計かで印象が大きく変わります
  3. 全国平均との比較条件を確認する: 診断士試験の合格率は受験年度・1次2次で異なるため、比較の前提条件が揃っているかを見てください
  4. 体験記のみでも参考になる: 体験記の人数・具体性(点数・学習時間の開示)は、その講座の受講生層を知る材料になります

当サイトの採点への反映

「合格実績の透明性(20点)」は次の配点で採点しています。

  • 実数を毎年公表+算出範囲が明確: 16〜20点
  • 実数公表だが更新頻度・範囲に課題: 11〜15点
  • 率のみ(自社調査ベース): 6〜10点
  • 体験記のみ: 3〜5点
  • 非公表: 0〜2点

各講座の実際の点数は通信講座・予備校おすすめ比較の総合スコア表をご覧ください。


このページの更新方針

本ページは毎年、各社の合格実績発表シーズン(合格発表後〜春)に更新します。更新履歴を下に残し、過去の公表状況の変化も追跡します。

  • 2026年7月26日: 令和7年度(2025年度)試験結果の公表状況を反映して更新
  • 2026年7月21日: 初版公開

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