『2次試験合格者の頭の中にあった全知識』『同 全ノウハウ』(同友館)は、ふぞろいと並ぶ2次試験対策の定番書です。ただし2冊で7,000円を超えるため、「両方必要なのか」「どちらを先に買うべきか」で迷う人が多い教材でもあります。
結論から言うと、解答の”型”が作れていない段階なら『全ノウハウ』が先、知識の抜けが不安なら『全知識』が先です。

2冊の役割の違い
| 書名 | 役割 | 価格(税込) | 先に買うべき人 |
|---|---|---|---|
| 全知識 | 2次試験に必要な1次知識を1冊に凝縮。「このくらい頭に入っていれば十分」という絞り込みが特長 | 3,300円前後 | 1次から時間が空いた人/知識の抜けが不安な人 |
| 全ノウハウ | 合格者の解答構築プロセス(考え方の手順)を学ぶ。「2次試験の解答はこう組み立てる」 | 3,740円(2026年版・B5判408頁) | 答案の型が定まらない人/設問解釈でつまずく人 |
※2026年版 全ノウハウの価格・仕様は同友館オンラインで2026年7月26日に確認した情報です。全知識の最新版の価格は変動します。
『全知識』は「知識の辞書」として使う
全知識は、2次試験で使う1次知識だけを抜き出した参考書です。事例I(組織・人事)なら茶化(採用・配置・報酬・育成・評価)、事例II(マーケティング)ならダナドコといった、頻出のフレームや切り口が整理されています。
使い方としては通読するより、過去問を解いていて「この論点の知識が曖昧だ」と気づいたときに引く辞書的な使い方が効率的です。頭から読み込もうとすると、量に対して手応えが得られにくい本でもあります。
『全ノウハウ』は「解答の作り方」を学ぶ
全ノウハウは、合格者が与件文を読んでから答案を書き上げるまでの思考プロセスを追った本です。2026年版は令和7年度および令和6年度の合格者の実際の解答構築プロセスを収録しています(同友館オンラインの商品説明より)。
2次試験でつまずく人の多くは、知識ではなく「設問が何を聞いているかの解釈」と「答案の組み立て方」で失点します。運営者自身、2年目に226点で不合格になった原因は事例IIIの設問解釈のずれでした。知識を増やしても解決しないタイプの失点であり、そこに効くのがこちらの本です。
注意点:ふぞろいの代わりにはならない
全知識・全ノウハウは「解答の作り方」を学ぶ本であり、「自分の答案が何点相当か」を判定する本ではありません。得点の相場観をつかむには、再現答案と得点区分が載っているふぞろいな合格答案が別途必要です。
また、2冊そろえると7,000円超になります。予算が限られる場合は、まずふぞろい+全ノウハウの2冊から始めるのが現実的だと考えています。
実際に使った感想
2次対策では、ふぞろいで「どこまで書けば点が入るか」を把握し、全ノウハウで「どう組み立てるか」を学ぶという役割分担で使っていました。
事例IVについては、同じシリーズの『事例IVの全知識&全ノウハウ』が論点別(経営分析・CVP・NPVなど)に過去問を組み替えており、横解きの教材としてそのまま使えます。2年目にこの本で単元別演習を積み、事例IVを36点から69点まで伸ばしました。