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2次試験対策 更新日 2026.07.28 文・コンパス管理人

中小企業診断士 事例2の解き方|ダナドコで61→55→51と下げ続けた私の失敗

中小企業診断士 事例2の解き方|ダナドコで61→55→51と下げ続けた私の失敗

結論:事例IIは型が完成した年ほど点が下がった

先に結論を書きます。中小企業診断士2次試験の事例2(事例II)の解き方は、ダナドコ(誰に・何を・どのように・効果)で骨格を作るという方針で合っています。問題はその使い方です。ダナドコを「答案の骨組み」として使うか、「答案の中身そのもの」として使ってしまうかで、書き上がる答案の中身がまったく変わります。私はこの違いに気づかないまま3年間受験しました。

結果、事例IIの得点は61点→55点→51点と3年連続で下がりました。合格した3年目でさえ51点です。総点244点で合格していますが、事例IIだけは3年間で一度も伸びていません。同じ期間に事例Iは48→58→66と唯一きれいに右肩上がりで、事例IVは36→69→59と乱高下しました。つまり手を入れると決めた事例は動き、得意だと思い込んで放置した事例だけが落ち続けたということです。

この記事では、ダナドコの4要素それぞれについて「加点を狙える粒度」と「どのB社にも当てはまってしまう粒度」を分けて示します。そのうえで80分の時間配分、9ステップの解答手順、骨子段階と提出前の2段チェック、直前8週間のメニューまで数字に落とします。心構えの話は書きません。

先に記事の役割も限定しておきます。私は事例IIを55〜60点で安定させる方法を確立できていません。3年間で55点以上を出したのは1年目の61点だけで、しかもそれは対策を組む前の得点です。ここに書けるのは40点台への転落を防ぐための「下限管理」の手順であって、高得点の再現手順ではありません。そのつもりで読んでください。

3年分の得点開示。4事例で事例IIだけが右肩下がりだった

運営者の2次試験得点開示(3年目・合計244点で合格)
合格年の得点開示。合格した年でも事例IIは51点。61→55→51と下げ続けたまま総点で通した
出典: 運営者提供(氏名・受験番号等はマスキング済み)

まず実データです。2次筆記は3回受験し、得点開示はすべて請求済みです。数字は一切加工していません。事例IIの行だけを見てください。

事例 1年目 2年目 3年目 3年間の増減
事例I(組織・人事) 48 58 66 +18
事例II(マーケ・流通) 61 55 51 −10
事例III(生産・技術) 68 44 68 ±0
事例IV(財務・会計) 36 69 59 +23
合計 213(不合格) 226(不合格) 244(合格) +31

1年目に取った61点が、その後2年間の判断を狂わせました。61点は「対策しなくても取れる事例」という誤ったメッセージになります。私は2年目以降、学習時間を事例IVと事例Iに寄せ、事例IIは過去問を回すだけの科目にしました。その結果が55点、51点です。

2年目はTAC名古屋に通学して2次に専念しました。模試の成績は2次実力チェック模試がA判定で161位/1,043人(上位約15%)、2次公開模試がA判定で52位/1,708人(上位約3%)です。それでも本試験は226点で不合格でした。ここで正直に書いておくと、模試の成績表には事例別の得点も出ていたのに、私は総合判定と順位しか見ていませんでした。事例IIが静かに劣化していることは、見ようと思えば見られたはずの情報です(TAC模試の使い方は別記事にまとめています)。

ここから引き出せる実行可能な教訓は1つです。模試の成績表も得点開示も、必ず事例別に、複数年を横に並べて見る。総合判定は「今年受かりそうか」しか教えてくれません。事例別の推移だけが、どの事例が壊れかけているかを教えてくれます。

原因は「型が完成したこと」そのものだった

ダナドコに慣れると、与件文を細かく読まなくても答案の形が作れるようになります。「地域住民に」「新商品を」「SNSで訴求し」「売上向上を図る」。日本語として破綻せず、4要素も揃っており、字数も埋まります。しかしこの4文節はすべて、どのB社にも当てはまる一般語です

模範解答も配点も公表されないので、採点の中身は誰にも断定できません。私が言えるのは「型に習熟した年ほど、私の得点は下がった」という自分の3年分の事実だけです。ただ、事例IIは自由に書ける分だけ、書き手が「与件を読む作業」を省いても手が動いてしまう。これが事例IIの構造的な難しさだと考えて、以降の手順を組みました。

ダナドコの4要素を、1行の定義に確定させる

ダナドコは4つの空箱です。箱の名前を覚えても1点も入りません。それぞれの箱に「何を入れるか」を先に決めてから過去問に入ります。私が3年目にようやく作った基準が次の表です。右列は加点されないと断定できるものではありませんが、どのB社にも書ける以上、与件を読んだ証拠にはならないという基準で振り分けています。

要素 1行の定義 与件を読んだ証拠になる粒度 どのB社にも書ける粒度
ダ(誰に) 与件に出てくる顧客層を属性+接点の2語以上で特定する 「近隣で働く子育て世代の共働き世帯」 「地域住民」「高齢者」「観光客」
ナ(何を) B社の強みと接続した商品・サービスの束 「既存の加工技術を活かした少量商品」 「新商品」「高付加価値商品」
ド(どのように) 接点づくり+関係を続ける仕組みをセットで書く 「体験イベントで会員登録し、定期的な案内で再来店を促す」 「SNSを活用する」「DMを送る」
コ(効果) 設問が要求している効果語で締める 「客単価と来店頻度を高め固定客化する」 「売上向上」「差別化を図る」

右2列の差を見てください。文字数はほぼ同じなのに、右端はB社の与件を1文字も読まずに書けます。私が3年間書き続けたのは右端のほうでした。事例IIの勉強とは、この右端を左に置き換える作業だと考えてください。

落とし穴1:ダが「地域住民」で止まる

事例IIで差がつきやすいのはターゲットの解像度です。ダは必ず2語以上を重ねます。「30〜40代」だけでは属性が1つなので不足。「近隣に勤務する30〜40代の女性」なら、所在・年代・性別の3語です。

手順は単純です。与件を読むとき、顧客に関する記述だけを赤で囲み、余白に「客①」「客②」と番号を振ります。B社の与件には通常2〜4種類の顧客層が書き分けられています。答案を書く前に、その番号のどれを使うかを設問ごとに指名する。これだけでダの一般語化は止まります。

落とし穴2:ナが商品名の言い換えで終わる

ナは「何を売るか」ではなく「B社の何を使って売るか」です。書き出しに「〜という強みを活かした」を機械的に挿入するルールを作ってください。強みが思いつかない商品は、そもそも助言として弱いので採用しません。

逆に言えば、与件に書かれていない商品を発明しないほうが安全です。事例IIで独創的な新規事業を提案しても、根拠が与件にない以上は説明できません。B社が既に持っている資源の組み替えで答えるのが原則です。ここは全知識・全ノウハウの整理が効きます。

落とし穴3:ドが施策名の羅列で終わる

「SNSで発信する」「DMを送る」「イベントを開催する」。この3つを並べると字数は稼げますが、私は「並列より連結のほうが助言として説明が通る」と仮定して運用しました。施策は「接点→情報の蓄積→再接触」の3点を1本の線でつなぐと書き方が変わります。

具体的には、「イベントで集客し、その場で会員登録して顧客情報を蓄積し、その情報に基づいた案内で再来店につなげる」という形です。施策を3つ挙げるのではなく、1つの流れとして書く。因果がつながっている分、なぜその施策が効くのかを答案の中で説明できます。

落とし穴4:コが「売上向上」で締まる

効果は必ず2段階で書きます。直接効果(客単価向上・来店頻度向上・新規客獲得・口コミ拡散)と、最終効果(固定客化・関係性強化・売上向上)です。直接効果を飛ばして「売上向上」だけ書くと、そこは何を書いても成立する空白と同じになります。

さらに、設問文の語尾に合わせること。「愛顧を高める施策を」と問われたら効果語は固定客化・関係性強化に寄せる。「新規顧客を獲得するために」なら認知拡大・来店動機に寄せる。設問の言葉をそのまま使うのが最も安全です。

効果語は12個だけ暗記する

コ(効果)で毎回悩むのは、手持ちの語彙がないからです。事例IIの効果語は12個で足ります。試験までに紙1枚に書き写し、演習のたびに横に置いてください。悩む時間がゼロになり、そのぶんダの具体化に時間を回せます。

  • 直接効果(6個):認知度向上/来店客数増加/客単価向上/来店頻度向上/購買点数増加/口コミによる拡散
  • 中間効果(3個):顧客との関係性強化/顧客情報の蓄積/ニーズ把握精度の向上
  • 最終効果(3個):固定客化(愛顧向上)/新規顧客の獲得/売上・利益の向上

使い方のルールは1つです。「直接効果→最終効果」の順で必ず2個以上つなぐ。「客単価向上と来店頻度向上により固定客化を図る」のように書けば、効果部分は30字前後で完結します。最終効果だけを単独で書かないと決めるだけで、事例IIの締めの品質は安定します。

事例IIの80分。開始22分は1文字も書かない

事例IIは書こうと思えばいくらでも書けてしまうため、時間配分の設計が事例I〜IIIの中で最も重要です。私が3年目に使った配分を示します。合格年でも51点でしたので高得点の型ではありませんが、少なくとも40点台への転落は防げました。

経過時間 やること 手元に残る成果物
0〜2分 受験番号記入、字数制限の確認。解答欄の数を数え、記述32分を割って1解答あたりの持ち時間を余白に書く 持ち時間メモ
2〜7分 設問文だけを読む。制約語(新規/既存、価格以外、オンライン等)に丸を付ける 設問要求の一言メモ
7〜22分 与件を2回読む。1回目は段落番号と時系列、2回目は色分け(強み=青、顧客=赤、競合=緑、地域資源=黄) 資源リスト
22〜30分 設問と与件段落の対応づけ。使う顧客層を設問ごとに指名 与件余白の設問番号
30〜38分 全設問のダナドコを箇条書きで先に埋める。文章にしない 解答数ぶんの骨子メモ
38〜40分 構造チェック(2分)。ターゲットと施策の組み合わせの重複、設問の制約違反をここで潰す 修正した骨子
40〜72分 記述。1解答あたりの持ち時間を厳守。時間が来たら途中でも次へ 解答用紙
72〜78分 見直し。最初の90秒は語句チェック5項目、残りで字数・誤字 修正
78〜80分 予備(空欄の穴埋め)

「1設問8分」を固定しない。記述32分を解答数で割る

ここは私が最初に組んだ配分から直した点です。事例IIは設問1が(1)(2)に分かれるなどして、実質5解答・6解答になる年があります。「1設問8分」を体に入れてしまうと、5解答の年に最後の1問が丸ごと空欄になります。空欄は事例IIで最も避けたい失点で、記事全体の方針である「40点未満を作らない」と正面から衝突します。

そこで固定するのは記述ブロックの32分と骨子ブロックの8分だけにして、1問あたりの時間は開始2分以内に自分で計算します。

解答数 記述32分÷解答数 骨子8分÷解答数 字数の目安
4解答 8分 2分 各120〜150字
5解答 6分半(6分24秒) 1分半(1分36秒) 各100〜120字
6解答 5分半(5分20秒) 1分20秒 各80〜100字

配点は公表されないため、配点の大小で時間を傾斜配分することはしていません。字数の多い設問に時間を寄せたい場合も、合計が32分を超えないように他から引いてください。

時計の見方も決めておきます。記述開始は40分ちょうど。4解答なら48分・56分・64分・72分が各問の締切です。5解答なら46分半、53分、59分半、66分、72分。締切時刻を問題用紙の余白に先に書いておくと、途中で引き算をしなくて済みます。

与件の読み方:資源棚卸しを問題用紙の余白で完結させる

7〜22分の15分間で作るのは、B社が持っている材料の一覧です。別紙にまとめ直す時間はないので、問題用紙の余白に4分割の枠を書いて、そこへ段落番号だけを転記します。文章は書きません。段落番号を書くだけなら15分で終わります。

拾う対象 余白の枠に書くこと 使う設問
顧客層(属性・所在・行動) 客①〜④と段落番号 全設問のダ
B社の強み(技術・立地・人材・関係) 強み1〜3と段落番号 ナ、分析型設問
競合の動向・脅威 段落番号のみ 分析型設問
地域資源・協業先・イベント 段落番号のみ

この4枠が埋まっていれば、骨子作りは「枠から選ぶ」作業になります。ゼロから発想する時間を、選ぶ時間に変えるのが事例IIの時間戦略です。逆に枠が埋まらないまま書き始めると、埋められる言葉が一般語しか残りません。

事例IIを解く9ステップ

  1. 設問文を先に読む。与件より先です。制約語(誰に/どの層/新規か既存か/価格以外)に丸を付けます。あわせて解答欄の数を数え、1解答あたりの持ち時間を算出します。
  2. 設問ごとに「これは何タイプか」を1語でメモする。分析型か、ターゲット設定型か、施策提案型か、関係性強化型か。
  3. 与件1回目は段落番号を振るだけ。内容を理解しようとしない。所要3分。
  4. 与件2回目で4色に色分けする。強み=青、顧客=赤、競合=緑、地域資源・協業先=黄。
  5. 赤(顧客)に番号を振る。客①〜客④まで。ここが事例IIの心臓部です。
  6. 設問ごとに使う客番号を指名する。
  7. 骨子をダ/ナ/ド/コの4行で書く。文章にしない。骨子ブロックは8分、1本あたりは8分÷解答数。
  8. 骨子の各行に一般語がないか点検し、あわせて構造チェックを行う。一般語は与件の語に置き換え、ターゲットと施策の組み合わせの重複と制約違反はここで直します。この工程が最重要です。
  9. 持ち時間どおりに書き切る。書きながら考えない。骨子を日本語に変換するだけの作業にする。

ステップ8を独立させているのは意図的です。私が1年目と2年目に飛ばし続けたのがこの工程でした。骨子ができた時点で満足し、そのまま清書していた。一般語のまま清書すれば、答案に残るのも一般語だけです。

チェックは2段構えにする。書き直しは骨子段階でしかできない

最初に作ったチェックリストは提出前に7項目を回す設計でしたが、これは本番で破綻します。重複の書き換えと制約違反の書き直しは100〜150字の消しゴム作業を伴い、90秒では終わりません。見直しに使えるのは6分しかなく、直しかけて時間切れになるのが最悪の結果です。

そこで、書き直しが必要になりうる2項目は38〜40分の骨子段階に前倒しし、提出前は加筆と語句差し替えだけで直せる5項目に限定します。骨子段階なら書き直しコストは実質ゼロです。

(a)骨子完成時点=38〜40分に回す「構造チェック」2項目

# 確認すること 引っかかったときの直し方
A ターゲットと施策の「組み合わせ」が他の設問と同じになっていないか 組み合わせが同じなら片方を書き換える。ターゲットが同じでも施策の切り口(新規獲得/関係維持/単価向上)が違うなら、そのままでよい
B 設問の制約(新規/既存、価格以外、オンライン限定など)を守っているか 違反していれば骨子の該当行を丸ごと差し替える。清書前なので損失は数十秒

Aの基準は、はっきりさせておく価値があります。事例IIでは同一ターゲットに対して違う切り口の施策を複数設問で問う年度があります。この場合に無理やり別の顧客層へ散らすと、与件の要求から外れて自分から失点を作ることになります。禁止するのは「ターゲットも施策も同じ」の組み合わせ重複だけで、ターゲットの重複そのものは禁止しません。

(b)提出前90秒に回す「語句チェック」5項目

# 確認すること 引っかかったときの直し方
1 ダに与件由来の語が2つ以上あるか 与件から属性語を1つ足す(所在・年代・職業のいずれか)
2 ナがB社の強みと接続しているか 「〜の強みを活かし」を頭に挿入する
3 ドに「関係を続ける仕組み」があるか 会員化・顧客情報の蓄積・定期接触のいずれかを入れる
4 コが直接効果と最終効果の2段階か 「売上向上」の手前に客単価・頻度・固定客化を足す
5 一般語(地域住民/SNS活用/売上向上)が3つ以上ないか 最も具体化しやすい1つを与件語に置換

5項目とも、行間や語尾への数文字の加筆で直せるものだけを残しています。90秒で回すというのはそういう意味です。逆に言えば、提出前に構造の問題を見つけても、その時点ではもう直せません。だからこそAとBを38分に置きます。

事例IIの設問は4タイプ。ダナドコを使わない設問がある

ここが他ではあまり書かれない点です。事例IIの設問すべてにダナドコを当てはめる必要はありません。環境分析を求める設問にダナドコを持ち込むと、聞かれていない施策を書くことになり、そのぶん要求への解答が削れます。

タイプ 設問の合図 ダナドコの使い方 字数目安(4解答の年)
環境分析型 「特徴を述べよ」「分析せよ」「強みを挙げよ」 使わない。与件の要約と対応づけに徹する 80〜120字
ターゲット設定型 「どのような顧客層に」「誰をターゲットに」 ダを主役にし、ナ・ド・コは各1文節に圧縮 100〜120字
施策提案型 「どのような施策を助言するか」 4要素すべて。ドは接点と継続の2要素で書く 120〜150字
関係性強化型 「愛顧を高める」「関係性を強化する」 コを固定客化・来店頻度向上に固定する 120〜150字

設問タイプの判定は、開始2〜7分の設問読みで必ず終わらせます。ここで「分析型」と判定できていれば、施策を書きたくなる衝動を抑えられます。2次対策の全体像でも触れていますが、設問要求の外に書いた内容が評価される保証はないので、私は捨て字として扱っていました。

ふぞろいで採点するときの事例II特有の注意

ふぞろいな合格答案はキーワード採点です。この方式は事例IVや事例IIIでは扱いやすいのですが、事例IIでは自分に甘い点が出やすいと感じました。「売上向上」「差別化」「関係性強化」といった一般語がキーワード表に載っていることがあり、中身が空でも拾えてしまうからです。

対策は採点表を2列に分けることです。ここは「別集計してください」で終わらせると実行できないので、手順まで書きます。

具体語点/一般語点の集計手順

  1. 採点前に、その年度のキーワード表を2列に仕分ける。与件の固有名詞・商品名・属性語(所在/年代/職業/利用シーン)を含む語を「具体語」、含まない語を「一般語」に置きます。判定に迷ったら「他年度のB社にもそのまま書けるか」を基準にしてください。書けるなら一般語です。たとえば「主婦層」は単独なら一般語、「駅前で働く共働きの主婦層」なら具体語に入れます。
  2. 自分の答案で拾えた語を、列ごとに配点を足す。ふぞろいが各語に付けている点をそのまま使います。1語1点に丸めても構いませんが、年度をまたぐのでどちらかに統一してください。
  3. 「具体語点 ÷ 総得点」を1行で記録する。ノートでもスプレッドシートでも構いませんが、記録するのは日付・年度・事例II・総得点・具体語点・比率の6項目だけにします。項目を増やすと続きません。
  4. 判断の基準は比率50%。私は「具体語点が半分を割った回は、その年度をもう一度解き直す」と決めて運用しました。これは私が置いた運用ラインであって、採点上の意味がある数字ではありません。
  5. 傾向を見るのは5回分から。1回や2回では年度との相性で振れます。5回並べて比率が横ばいなら、書き方が変わっていないということです。

そのうえで具体語点だけを自分の実力とみなす。この集計をしていれば、私は2年目の段階で事例IIの劣化に気づけたはずです。採点の運用そのものはふぞろいの使い方にまとめています。事例IIについては「点数を出す」より「一般語の割合を出す」ために使うと考えたほうが実益があります。

直前8週間の事例IIメニュー

時間の絶対量ではなく、作業量で決めてください。私は2年目、事例IIに週3時間ほど使っていましたが、中身は「新しい年度を解いて答え合わせをする」だけで、55点から51点に落ちています。同じ3時間でも、置換作業が入っているかどうかで中身がまったく違います。以下の目安時間は「終わらせるのに概ねこのくらいかかる」という意味で、時間が来たら終わりという意味ではありません。過去問の年数の考え方は過去問は何年分やるかに書いています。

時期 その週に終わらせる作業量 目安時間
8〜7週前 過去問2年分を骨子だけで解く(記述しない)。1事例30分 3時間
6〜5週前 1年分を骨子+記述。ふぞろいで採点し、具体語点と一般語点を分けて記録 4時間
4〜3週前 新しい年度を足さない。既に解いた年度の2回目を1年分。一般語を具体語に置換する作業だけを行う 4時間
2週前 80分通しを2回。解答数を数えて持ち時間を算出する手順まで含めて検証 3時間
1週前 構造チェック2項目・語句チェック5項目・効果語12個を紙に書き写して確認 2時間

私が最も意味があったと感じているのは4〜3週前の「置換だけ」の週です。ただし正直に書きます。私がこの置換作業をやったのは3年目だけで、その年の事例IIは51点でした。この作業で得点が上がる、とは書けません。私に言えるのは、置換作業をやった年の答案は、一般語で埋めた箇所が明らかに減ったということだけです。効果は得点ではなく、具体語点の比率で測ってください。比率が動かないなら、やり方が間違っています。

51点でも合格できた。ただし「足切りを作らなければ受かる」ではない

合格年の244点は、66点・51点・68点・59点という内訳です。事例Iと事例IIIで60点台を2つ作り、50点台2つをそこで支えている構造で、私の場合はこの2本の柱がなければ240点には届いていません。2次筆記の合格基準は総点240点以上かつ1事例も40点未満がないことなので、この形でも合格は合格です。

ここで強調したいのは、足切り回避は必要条件にすぎないということです。私の2年目は58/55/44/69で、40点未満は1つもありませんでした。それでも226点で不合格です。「足切りを作らないだけで受かる」は私のデータでは成り立ちません。2年目から3年目にかけて総点が18点動いた中心は、事例IIIを44点から68点へ戻した+24点でした。

そのうえで、私の事例IIIは68→44→68と乱高下し、事例IVも36→69→59と振れています。どの事例も40点台に落ちる可能性がある以上、50点前後で設計している事例は、崩れたときに足切りに近づきます。だから事例IIも下限を管理する必要がある、というのがこの記事の主張です。繰り返しますが、事例IIを55〜60点で安定させる方法は私自身が確立できていません。ここに書いた手順は、あくまで40点台に落とさないための道具です。

また、令和8年度から2次口述試験が廃止され、筆記合格がそのまま最終合格になります。出典は日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度からの中小企業診断士試験における改正点について」(https://www.jf-cmca.jp/contents/010_c_/010_c_r08_shiken/R08_jyukentesuryokaitei_koujyutushikenhaishi.html)で、当サイトがこの公式ページで直接確認しています。同じ改正で受験手数料も1次17,200円・2次15,100円に改定されました。口述という挽回の機会がなくなる分、筆記1回の比重が上がります。2次筆記は令和8年度10月25日、1次合格の効力は2年間なので受験機会は2回です。試験日程から逆算して、事例IIの置換作業を組み込む週を先に押さえてください。

もう1つ、正直に書いておきます。1年目と2年目の2年間、私は一度も「事例IIの弱点分析」をしていません。やっていたのは事例IVの計算演習と、事例Iの因果の整理でした。事例IIに手を入れたのは3年目が最初で、この記事の加点粒度の表も、時間配分も、チェック項目も、すべて3年目に初めて作ったものです。裏を返せば、点が取れている事例の分析を省いたまま2年を使ったということでもあります。得点開示は毎年届いていたのに、私は総点しか見ていませんでした。

明日からやる3つ

  1. 過去問1年分の事例IIを開き、自分の過去答案から一般語に線を引く。「地域住民」「SNS活用」「売上向上」の3語だけでいい。何本引けるかを数えます。
  2. 与件の顧客記述に客①〜④の番号を振る練習を1年度分だけやる。所要20分です。
  3. 構造チェック2項目と語句チェック5項目を1枚の紙に書き写し、次の演習から骨子完成時と見直し時に必ず使う。暗記ではなく紙で運用します。

事例IIは、型を覚えた瞬間に手が勝手に動き出す事例です。ダナドコは書く順番を決めるための道具であって、書く内容を決めてくれる道具ではありません。内容を決めるのは与件だけです。2次は独学で受かるかを検討している方も、この一点だけは独学・通学を問わず同じだと考えています。

関連記事: 2次試験対策まとめ事例IV対策の全体像ふぞろいの使い方全知識・全ノウハウ過去問は何年分診断士講座の比較

出典:一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度からの中小企業診断士試験における改正点について」(口述試験の廃止・受験手数料の改定。https://www.jf-cmca.jp/contents/010_c_/010_c_r08_shiken/R08_jyukentesuryokaitei_koujyutushikenhaishi.html)、一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士試験」(第2次試験の合格基準・試験日程)。得点データはすべて筆者本人の得点開示請求の結果、模試の判定と順位は筆者が2年目に受験した2次実力チェック模試および2次公開模試の成績表に基づきます。