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試験情報 更新日 2026.07.28 文・コンパス管理人

中小企業診断士の科目合格制度の使い方|2年計画で受かる科目選び

中小企業診断士1次試験の科目合格制度は、7科目すべてを1年で合格点まで持っていけなくても、個別の科目で基準を満たしていれば、その科目を翌年度・翌々年度の試験で免除にできる仕組みです。この制度をどう使うかで、複数年にわたる受験計画の立てやすさが大きく変わります。私自身は科目合格制度そのものより、1次試験合格の効力(合格年度と翌年度の2年間、2次試験を再受験できる制度)を使って3年間を組み立てましたが、その経験から見えた「科目単位で計画を立てる」という発想は、科目合格制度を使う場合にもそのまま応用できます。

令和8年度中小企業診断士第1次試験の試験案内(公式)
科目合格・免除の可否は毎年の公式試験案内で確認するのが確実。令和8年度の試験案内より出典: 一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会(2026年7月26日取得)

科目合格制度の仕組みをおさらいする

1次試験は7科目の総点数が60%以上、かつ1科目でも満点の40%を下回らないことが合格基準ですが、この基準を満たせなかった場合でも、個別の科目で満点の60%以上を得点していれば、その科目は科目合格として扱われます科目合格の有効期間は2年間で、合格した科目は翌年度・翌々年度の1次試験で免除申請が可能です。つまり、今年は3科目だけ合格点に届き、残り4科目は基準に満たなかったという場合でも、来年はその3科目を免除申請して残り4科目に集中する、という計画が立てられます。1次試験全体の合格基準や日程は中小企業診断士1次試験の完全ガイド|日程・合格基準・科目合格制度で詳しく解説しています。

1次合格の効力(2年間)と科目合格制度は別の仕組み

ここで混同しやすいのが、1次試験に7科目すべて合格した場合の「合格の効力」と、一部科目だけ合格した場合の「科目合格」の違いです。7科目すべてに合格すると、その効力は合格年度と翌年度の2年間続き、この間は1次試験を受け直さずに2次試験だけを複数回受験できます。私は1年目に7科目すべてに合格し、2年目はこの効力を使って1次試験を受けずに2次試験に専念しました。一方、科目合格制度は7科目のうち一部だけ基準を満たした場合の話で、免除されるのはその科目だけであり、残りの科目は毎年受け直す必要があります

この2つの制度を混同すると、「去年の一部科目合格だけで2次試験に進める」と誤解してしまう危険があるため、自分がどちらの制度に該当するのかを合格発表のたびに正確に確認しておく必要があります。

複数年計画では「暗記科目」を後回しにする

科目合格制度を前提に複数年計画を立てる場合、どの科目から仕上げるかの順番が重要になります。私が3年目に1次試験から再受験した際は、経営情報システム・経営法務・中小企業経営政策という暗記色の強い3科目を診断士ゼミナールで重点的に固め直し、財務・会計や企業経営理論のように継続的な演習が必要な科目は、それまでの蓄積を維持する程度の学習量に抑えました。

暗記科目は直前期に集中して詰め込んでも間に合わせやすいため、科目合格制度を使って複数年計画を立てる場合も、暗記科目は最終年度に回し、財務・会計や企業経営理論のように積み上げに時間がかかる科目を早い年度から先に仕上げておく方が、無理のない計画になります。

科目タイプ 該当科目 複数年計画での位置づけ
積み上げ型(早期に着手) 財務・会計、企業経営理論 継続演習が必要。早い年度から取り組む
中間型 経済学・経済政策、運営管理 理解と暗記が混在。中期から着手
暗記型(後回し可) 経営情報システム、経営法務、中小企業経営政策 直前期の詰め込みが効きやすい。最終年度に厚く配分

この表のように科目を3つのタイプに分けて考えると、科目合格制度を使った複数年計画の中で「今年はどの科目を仕上げるか」を決めやすくなります。積み上げ型の科目を早期に合格させておけば、2年間の有効期限のうちに暗記型科目の対策へ時間を回せる年度を作れるからです。

具体的な積み上げ方をイメージする

科目合格制度を使った複数年計画のイメージを具体的に考えてみます。1年目に財務・会計と企業経営理論、運営管理の3科目で合格点を確保できた場合、この3科目は翌年度・翌々年度の2年間、受験を免除申請できます。2年目はこの免除を使い、残りの経済学・経済政策、経営法務、経営情報システム、中小企業経営政策の4科目に学習時間を集中させます。もし2年目でこの4科目のうち一部しか合格点に届かなかった場合でも、1年目に合格した3科目の免除期限内であれば、3年目もその科目を除いた残りの科目だけに絞って再挑戦できます。こうして毎年受験する科目数を減らしながら合格に近づけていく設計が、この制度の本来の使い方です。

ただし免除の有効期限は合格した年度を含めて2年間、つまり翌年度と翌々年度までという点には注意が必要です。3年目の学習計画を立てる際は、1年目に合格した科目の免除期限がいつまでなのかを必ず確認し、期限が切れる前に確実に合格できる年度に受験計画を組み直す必要があります。

科目合格に頼りすぎるとかえって遠回りになることもある

科目合格制度は便利な仕組みですが、頼りすぎには注意が必要です。科目合格の有効期間は2年間しかないため、免除を使わずに毎年全科目を受け直す場合と比べて、知識の鮮度が落ちた状態で翌年・翌々年に免除科目を積み残したまま進むと、結果的に総点でのバランスが崩れることがあります。また、免除を受けた科目は本試験の緊張感の中で解く経験を積めないまま2次試験に進むことになるため、その科目の知識が2次試験の記述内容と関わる場合は注意が必要です。

たとえば財務・会計を免除にした場合でも、2次試験の事例IVでは計算力がそのまま問われるため、免除を使うかどうかは2次試験まで見据えて判断する必要があります。事例IVの対策は財務・会計の勉強法|苦手な人ほど毎日計算する理由で解説しています。

免除申請の手続きは合格発表後に忘れず行う

科目合格制度による免除は、自動的に適用されるものではなく、翌年度以降の受験申込の際に自分で免除申請の手続きを行う必要があります。前年度の合格科目を確認せずに申込んでしまうと、本来免除できるはずの科目を余分に受験することになったり、逆に免除の対象外の科目を見落として準備不足のまま受験することになったりします。合格発表があったら、自分がどの科目で科目合格の基準を満たしているかをまず確認し、翌年度の受験案内が公開された時点で、免除申請の要否と手続き方法を早めに確認しておくことをおすすめします。

複数年計画を立てるなら、最初の年に受験科目の優先順位を決めておく

科目合格制度を活用するかどうかにかかわらず、複数年計画を立てる場合は初年度の受験前に「今年どの科目で確実に合格点を取りにいくか」を決めておくことが重要です。7科目それぞれの特徴と攻略の優先順位は中小企業診断士の試験科目一覧|7科目の特徴と攻略の優先順位、暗記より読解力が問われる企業経営理論の対策は企業経営理論の勉強法|暗記より読解力が問われる科目にまとめています。

合格率や難易度の全体像は中小企業診断士の難易度と合格率|他資格との比較でわかる本当の難しさ、学習時間の年ごとの配分は中小企業診断士の勉強時間は1000時間?合格者3年間の実際の使い方、3年間の勉強法全体は中小企業診断士の勉強法|3年かけて合格した診断士の学習戦略で紹介しています。独学と通信講座・予備校のどちらで進めるか迷っている場合は独学完全ガイド通信講座・予備校おすすめ比較をご覧ください。

※試験情報は2026年7月時点の日本中小企業診断士協会連合会公表資料にもとづきます。