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勉強法 更新日 2026.07.28 文・コンパス管理人

中小企業診断士 科目別の勉強順序|財務から始めて中小政策で終える理由

中小企業診断士 科目別の勉強順序|財務から始めて中小政策で終える理由

結論:財務・会計から始めて、中小企業経営・政策で終わる。これだけは動かせません

1次試験は7科目あります。どの順番で手を付けるかで、同じ学習時間でも到達点が変わります。理由は科目の性質が2つに割れているからです。

タイプ 科目 性質 着手
積み上げ型 財務・会計、経済学・経済政策 毎日触れないと落ちる。理解の階層がある 最初
中間型 企業経営理論、運営管理 範囲が広く、演習量に比例して伸びる 中盤
暗記型 経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策 直前期の詰め込みが効く。早くやると忘れる 最後

この順番を守らないと、暗記科目を6月に仕上げても8月には残っていないという事故が起きます。逆に財務・会計を後回しにすると、2次の事例IVまで巻き込んで崩れます。

私は3年目に1次を7科目すべて受け直しました。その年の模試は7科目合計487点です。この記事では、その配分の根拠と推奨順序を示します。

推奨順序:7科目を4フェーズに割る

フェーズ 科目 目安時間 理由
第1(着手〜3か月) 財務・会計 150時間 2次の事例IVと地続き。最も早く始め、最後まで毎日続ける
第2(2〜5か月目) 企業経営理論 110時間 2次の事例I・IIの土台。早く入れるほど2次対策の助走が伸びる
第2(3〜6か月目) 運営管理 130時間 範囲が広い。2次の事例IIIにもつながる
第3(5〜7か月目) 経済学・経済政策 90時間 グラフの理解に時間がかかる。ただし60点台で十分
第4(試験前3か月) 経営法務 80時間 暗記中心。法改正があるため古い知識は使えない
第4(試験前3か月) 経営情報システム 90時間 暗記8割。用語を先にやっても忘れる
第4(試験前2か月) 中小企業経営・政策 70時間 唯一「わざと遅く始める」科目。白書は毎年変わる

合計720時間。勉強時間の相場で試算した1次800時間規模と整合します。残りは模試と過去問の通し演習に充てる想定です。

なぜ財務・会計が最初なのか

理由は3つあります。

第一に、積み上げ型だからです。簿記の仕訳がわからなければ財務諸表が読めず、財務諸表が読めなければ経営分析ができず、経営分析ができなければ意思決定会計に進めません。階層があるため、飛ばして先に進めない科目です。

第二に、2次の事例IVに直結するからです。1次の財務・会計と2次の事例IVは、扱う論点がほぼ同じです。1次の学習がそのまま2次の準備になる唯一の科目と言っていい。

第三に、勘が鈍るのが最も速いからです。数日空けると計算のスピードが落ちます。財務・会計の勉強法で書いたとおり、私は3年間、財務・会計と事例IVに毎日触れていました。最初に始めて、最後まで続けるのがこの科目の扱い方です。

私の1年目の事例IVは36点で基準点割れでした。原因は明快で、この毎日を怠ったからです。

なぜ中小企業経営・政策が最後なのか

この科目だけは、早く始めることが明確に不利になります。理由は2つです。

第一に、出題の元になる中小企業白書が毎年変わります。前年の白書で覚えた統計は、翌年には使えません。

第二に、純粋な暗記科目だからです。共済制度の要件、金融支援の対象、統計の数値——いずれも理解ではなく記憶で答えます。3か月前に覚えたものは、試験当日には相当量が抜けています

私の3年目は、この科目の模試が63点で7科目中の最低点でした。模試の時点で白書に本腰を入れていなかったためです。そこから本試験までの3週間で週7時間、合計21時間を追加投入しています。中小企業経営・政策の勉強法に詳しく書きました。

2次を見据えると順序はこう変わる

運営者の1次模試 科目別成績(合計487点)
この順序で仕上げた年の模試。2次と接続する企業経営理論82点・運営管理70点・財務68点が上位を占めている
出典: 運営者提供(氏名・受験番号等はマスキング済み)

ここが他の解説とはっきり違う点です。1次の順序は、2次への接続で決めるべきだと考えています。

1次科目 2次との接続 優先度への影響
財務・会計 事例IV(ほぼ同一論点) 最優先。1次対策が2次対策そのもの
企業経営理論 事例I・事例II(組織人事・マーケ) 。解答語彙の供給源
運営管理 事例III(生産管理) 中。生産管理分野のみ接続
経営法務 ほぼなし 低。1次専用
経営情報システム ほぼなし 低。1次専用
経済学・経済政策 なし 低。1次専用
中小企業経営・政策 なし 低。1次専用

2次に接続する3科目(財務・会計、企業経営理論、運営管理)を先に固めれば、1次合格後の2次対策が助走なしで始められます。逆にこの3科目を直前に詰め込むと、8月の1次合格から10月の2次まで2か月しかない期間で、ゼロから2次に取り組むことになります。

私の3年目の模試が企業経営理論82点だったのは、2次対策で毎日この分野に触れていたからです。企業経営理論の勉強法で書いたとおり、この科目は貯金科目にする価値があります。

科目合格を使う場合の順序

複数年計画なら順序の考え方が変わります。科目合格は翌年度・翌々年度の2年間有効なので、有効期限内に全科目を揃える設計が必要です。

年度 受ける科目 考え方
1年目 財務・会計、企業経営理論、運営管理、経済学 積み上げ型と中間型を先に片づける。2次に効く3科目を含める
2年目 経営法務、経営情報システム、中小企業経営・政策 暗記3科目に集中。1年目の合格科目を免除申請する

この分割が最も自然です。理由は暗記3科目は同時に短期集中でやるのが最も効率的だからです。私も3年目に、この3科目に診断士ゼミナールを併用して集中的に回しました。模試の結果は情報72点・法務68点・中小63点です。

注意点として、科目免除で書いたとおり免除は申請しなければ適用されず、得意科目を免除すると総得点で不利になります。1年目に高得点だった科目は、あえて免除せず受け直して貯金を作るという選択もあります。

やってはいけない順序

やりがちな順序 何が起きるか
試験案内の並び順(経済学から) 最も抽象度の高い科目で挫折する。財務の着手が遅れる
得意そうな科目から 苦手科目が直前に集中し、足切りリスクが上がる
暗記科目を先に完成させる 試験までに忘れる。特に中小企業経営・政策は白書が変わる
財務・会計を最後に回す 1次で足を引っ張り、2次の事例IVでも崩れる
全科目を毎日均等に回す どれも中途半端になる。暗記科目は忘却が先行する

特に1行目は要注意です。試験案内や多くのテキストは経済学から並んでいますが、これは学習順として推奨されているわけではありません。経済学はグラフを描けるかで決まる科目で、抽象度が高く、最初にやると挫折しやすい。

直前1か月は順序を組み替える

試験1か月前になったら、学習順序の考え方を切り替えます。「積み上げか暗記か」ではなく「伸ばすか維持するか」で仕分けるフェーズです。

私の3年目は、模試の結果(中小63・経済64が下位)を見て、残り3週間の時間を中小企業経営・政策に最も多く配分しました。直前1か月の過ごし方に具体的な配分を書いています。

まとめ

論点 結論
最初にやる科目 財務・会計。積み上げ型で、2次の事例IVに直結する
最後にやる科目 中小企業経営・政策。白書が毎年変わり、暗記は直前が効く
順序を決める基準 科目の性質(積み上げ/暗記)と、2次への接続
2年計画の分割 1年目に財務・企業経営理論・運営管理・経済学、2年目に暗記3科目
避けるべき順序 試験案内の並び順。経済学から始めると挫折しやすい
直前1か月 科目の性質ではなく「伸ばす・維持する」で組み替える

7科目の順序は、1次に受かるためだけでなく、2次にどう繋ぐかで決めてください。1次合格から2次まではわずか2か月しかありません。

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出典:一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度中小企業診断士第1次試験案内」(試験科目・合格基準)。時間配分は運営者の学習実績にもとづく目安で、必要時間には個人差があります。模試得点は運営者本人の実データです。