※当サイトにはプロモーション(PR)が含まれる場合があります。
講座比較 更新日 2026.07.27 文・コンパス管理人

中小企業診断士の保有資格1位はFP20.5%|なぜ社労士でも税理士でもないのか

中小企業診断士の保有資格1位はFP20.5%|なぜ社労士でも税理士でもないのか

結論: 診断士がいちばん多く持っている「名前のある資格」はFPです

中小企業診断士とFP(ファイナンシャル・プランナー)の関係を一言でまとめます。公式アンケートで、診断士が保有する他資格の1位はファイナンシャルプランナーの20.5%でした。社労士でも税理士でも行政書士でもありません。この事実が、この組み合わせを語るときの出発点になります。

ただし、その理由を「相性が最高だから」と説明するのは半分だけ正しい話です。もう半分の理由は身も蓋もなくて、FPが、診断士が並べうる資格の中で圧倒的に取りやすいからです。FP3級の合格率は85%前後、2級学科でも47〜55%。診断士1次に800〜1,000時間かけた人間から見れば、FP2級の150〜300時間は「ついでに片づく」量です。取りやすいから1位、という順序は否定できません。

それでも私は、診断士とFPの組み合わせを積極的に評価します。理由は事業承継経営者個人のライフプランという、診断士が毎回ぶつかるのに手持ちの知識では足りない領域を、FPがちょうど埋めるからです。この記事では、公式データと一次情報だけを使って、難易度・費用・日程・シナジー・取る順番を具体的に詰めます。私自身はFPを持っていないので、体験談ではなく数字と制度で書きます。

中小企業診断士が保有する他資格の割合(協会連合会アンケート調査)
診断士1,847名の保有資格(複数回答)。ファイナンシャルプランナーが20.5%で最多出典: 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士活動状況アンケート調査」(令和8年5月)(2026年7月26日取得)

公式データ: 診断士の保有資格ランキングでFPが1位になっている

日本中小企業診断士協会連合会の「中小企業診断士活動状況アンケート調査」(令和8年5月公表、調査時点は令和7年11月、回答1,847名)の問7が、診断士以外の保有資格を聞いています。複数回答です。

順位 保有資格 割合
なし 23.7%
その他(キャリアコンサルタント、日商簿記等) 22.0%
1位 ファイナンシャルプランナー 20.5%
2位 情報処理技術者 16.0%
3位 宅地建物取引士 11.0%
4位 MBA 10.3%
5位 販売士 8.4%
6位 ITコーディネータ 7.6%
7位 行政書士 6.4%
8位 社会保険労務士 6.1%
9位 技術士(補) 3.8%
10位 税理士 1.3%
公認会計士(補) 0.5%
弁理士 0.4% / 弁護士 0.3% / 司法書士 0.2% いずれも1%未満

出典: 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士活動状況アンケート調査」令和8年5月公表・n=1,847(https://www.jf-cmca.jp/attach/enquete/kekka_r8.pdf )。無回答8.4%。「なし」「その他」は特定資格ではないため、個別資格としてはFPが最上位です。

なぜ社労士でも税理士でもなくFPなのか

ダブルライセンスの記事では、社労士や税理士との組み合わせがよく推されます。ところが実データでは社労士6.1%、税理士1.3%。診断士100人を集めても社労士は6人、税理士は1人しかいません。一方でFPは20人います。この差は「相性の良さ」より「到達コストの差」で説明したほうが素直です。

税理士や公認会計士は、診断士とは学習量の桁が違います。社労士も1年単位の本気の受験が必要です。診断士に1,000時間超を投じたあとで、もう一度その規模の投資ができる人は多くありません。私自身、1次を2回・2次を3回受けて総勉強時間は約1,800時間でした。合格した時点で、正直に言えば「もう一度あれをやる」体力は残っていませんでした。

そこにFPは、2級で150〜300時間、3級なら80〜150時間(いずれも予備校が示す目安であり、日本FP協会・きんざいとも公式には勉強時間を公表していません)という現実的な水準で入ってきます。しかも受検日はCBTで自分で選べる。診断士の学習リズムを壊さずに差し込める資格は、実はそう多くありません。ランキング2位の情報処理技術者16.0%、3位の宅建11.0%も、同じく「単独で完結して受けやすい試験」である点が共通しています。

不都合な事実: 最も多い回答は「資格を持っていない」の23.7%

FP20.5%という数字を持ち上げる前に、書いておくべきことがあります。この調査でいちばん多い回答は「なし」の23.7%です。約4人に1人の診断士は、診断士以外の資格を何も持っていません。そして、その層が仕事に困っているというデータもありません。

同じ調査では、診断士業務が年100日以上ある564名の年間売上は、1,001万円以上が31.4%を占めます。これは「診断士+何か」の人だけの数字ではありません。資格の枚数そのものが売上を作るわけではない、という前提を外すと、FPの評価を必ず見誤ります。

FP技能検定は「名称独占の国家検定」。診断士と構造がそっくりです

FPと呼ばれるものには2系統あります。混同されがちなので分けます。

ひとつはFP技能検定(国家検定)。職業能力開発促進法第47条第1項に基づき厚生労働大臣が指定した試験機関が実施します。指定試験機関は日本FP協会金融財政事情研究会(きんざい)の2つ。合格すると「1級/2級/3級ファイナンシャル・プランニング技能士」と等級を付して名乗れます。合格に有効期限はなく、更新も維持費も不要です。

もうひとつはAFP/CFPで、こちらは日本FP協会の民間資格です。2年ごとの資格更新と継続教育単位(AFPは2年で15単位以上、うち「FP実務と倫理」1単位以上)が必要で、受講費用は自己負担。「FPは更新が面倒」と言われるのは、この民間資格側の話であって、国家検定のFP技能士には当てはまりません。この区別は費用設計上とても重要です。

そして本質的な共通点。FP技能士には独占業務がありません。名称独占です。合格していない等級を表示することは法律で禁止されていますが、「FP技能士でなければできない仕事」は存在せず、資格がなくてもライフプラン相談や一般的な助言は行えます。中小企業診断士もまったく同じ構造の名称独占資格です。独占業務がない資格同士を足しても、独占業務は生まれません。

むしろ実務で効くのは「FPが単独ではできないこと」の線引きです。個別具体的な税務相談・税務代理は税理士のみ。法律事件の具体的な相談・代理は弁護士のみ。相続登記等の申請書作成は司法書士。有償で反復する個別銘柄の投資助言は金融商品取引法上の登録、保険募集は保険業法の募集人登録が必要です。FPも診断士も、この壁の手前で「設計と交通整理」をする資格だと理解しておくと、期待値を間違えません。

難易度: FP2級と診断士は、同じ土俵で比べる試験ではありません

日本FP協会(資産設計提案業務)が公表している合格率です。

級・区分 実施期間 学科 実技
3級(CBT) 2025年10月〜2026年2月 86.60% 84.88%
3級(CBT) 2025年4月〜9月 86.31% 85.38%
3級(CBT) 2024年10月〜2025年2月 85.44% 85.57%
2級(CBT) 2025年10月〜2026年2月 47.18% 56.47%
2級(CBT) 2025年4月〜9月 54.78% 69.67%
2級(紙・参考) 2024年5月実施 59.29% 54.87%
2級(紙・参考) 2024年1月実施 39.00% 61.12%
1級 実技 2025年9月(受検1,338名) 75.63%
1級 実技 2024年9月(受検1,333名) 82.44%

出典: 日本FP協会 試験結果データ(https://www.jafp.or.jp/exam/syutoku/ )。2級は2025年1月試験を最後に紙の一斉試験を終了し、2025年4月1日からCBTへ完全移行しました(3級は2024年度からCBT化)。

読み方の注意を3つ。第一に、1級実技の75〜82%は、受検資格がCFP認定者・きんざい1級学科合格者等に限られた「選抜済みの母集団」の中での合格率です。誰でも8割受かる試験ではありません。第二に、学科と実技は別々に合否判定され、一部合格は合格した試験実施日の翌々年度末まで免除が効きます。合格基準は学科60点満点中36点以上、実技100点満点中60点以上でいずれも6割です。

第三に、同じ2級でも日本FP協会ときんざいでは合格率が違うと言われます。学科は両団体共通問題で、差は受検者層(きんざいは金融機関の団体受検が多いとされる)によるとされますが、きんざい実施分の数値は公式サイトで確認が必要です。ここでは日本FP協会の公表値のみを扱います。

診断士側と並べます。診断士1次は7科目、目安800〜1,000時間、1次+2次で1,000〜1,300時間(予備校が示す目安で、一次情報ではありません)。1次合格の効力は2年間で、科目合格制度があります。2次筆記は令和8年度から口述試験が廃止され、筆記合格がそのまま最終合格になりました。ストレート合格率は数%と言われる水準で、複数年戦になるのが普通です。私も3年かかりました。

FP2級と診断士は、難易度が「少し違う」のではなく1桁違います。「FPを取ったから診断士も行けそう」と考えるのは危険ですし、逆に診断士に合格した人がFP2級で苦戦することは、まずありません。診断士1次の「財務・会計」「経営法務」「中小企業経営・政策」を通過していれば、FP2級6分野のうち金融資産運用・タックスプランニング・相続事業承継の土台はできています。予備校各社も診断士経験者は目安レンジの下限以下で届くと説明していますが、裏づける定量データはありませんので鵜呑みにはしないでください。

費用: FP2級は総額2万円で完結、診断士は登録までに20万円超

意思決定に効くのは、実は難易度より費用構造の違いです。

項目 FP技能検定 中小企業診断士(令和8年度)
受検・受験手数料 3級 8,000円(学科・実技セット)
2級 11,700円(同)
1級実技 20,000円
1次 17,200円(+決済手数料590円)
2次 15,100円
合計 32,300円
合格後の必須コスト なし(技能士は更新不要・維持費ゼロ) 実務補習+実務従事で合計15日。概ね15〜20万円
更新 技能士は更新なし
AFP/CFPは2年ごと更新+継続教育
5年ごとに研修・実務従事の要件
民間資格の維持費 日本FP協会 入会金10,000円・年会費12,000円
CFPは新規登録料5,000円+会費8,000円/年
協会加入は任意
学習費用の目安 通信講座はAFP認定研修付きで8,800円〜、大手予備校の2級講座は概ね2〜7万円台 独学から通学まで幅が大きい

出典: 日本FP協会 試験概要(https://www.jafp.or.jp/exam/outline/ )、1級実技概要(https://www.jafp.or.jp/exam/outline/1fp/ )、AFP資格(https://www.jafp.or.jp/aim/afp/shikaku/ )、中小企業庁 令和8年度中小企業診断士試験について(https://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/2026/260205shindanshi.html )。市販テキストの実勢価格や実務補習費用の詳細は公式サイトでの確認が必要です。きんざい実施分の手数料も公式サイトで確認してください。

FP3級と2級を通しで取っても約2万円、そこから先の維持費はゼロです。一方の診断士は受験だけで32,300円、さらに登録には2次合格後3年以内に実務補習+実務従事で合計15日が必要で、実務補習を使えばここが最大の出費になります。私は実務補習を一切受けず、実務従事のみ15日で登録を完了しました。この選択で登録コストはかなり圧縮できます。

試験日程: 診断士とFPは、ほぼ衝突しません

時期 中小企業診断士(令和8年度) FP技能検定(2026年度)
4〜5月 1次申込 4/23〜5/27 2級・3級CBT 随時(休止 5/24〜5/31)
6〜7月 1次直前期 1級実技 申請 7/16〜8/6
8月 1次試験 8/1・8/2 CBT 随時
9月 1次合格発表 9/1/2次申込 9/1〜9/18 1級実技 9/13(年1回)
10月 2次筆記 10/25 CBT 随時
11〜12月 2次結果待ち CBT 随時(休止 12/28〜1/5)
翌1月 最終合格発表 1/13 CBT 随時

出典: 日本中小企業診断士協会連合会 令和8年度試験日程(https://www.jf-cmca.jp/contents/010_c_/010_c_r08_shiken/R08_nittei.html )、日本FP協会 試験日程(https://www.jafp.or.jp/exam/schedule/ )。FP2級・3級のCBTは2026/4/1〜2027/3/24に各月実施、休止期間は2026/5/24〜5/31、2026/12/28〜2027/1/5、2027/3/25〜3/31です。

2級・3級はCBTで受検日を自分で選べるため、診断士の試験日と物理的に重なることがありません。これがFPを併走させやすい最大の構造的理由です。現実的な置き場所は2か所。ひとつは診断士1次が終わった8月上旬から1次合格発表(9/1)までの空白期間。もうひとつは2次筆記(10/25)が終わった11〜12月です。

逆に絶対に避けるべきなのが、診断士1次直前期の5〜7月にFPを差し込むことです。1次は7科目の総合戦で、直前期の得点の伸びが最も大きい時期です。ここを削ってFPを取っても、得られるのは2万円の資格で、失うのは1年です。

唯一の要注意点はFP1級実技(9/13)と診断士2次筆記(10/25)の距離です。6週間前、2次対策の追い込み最盛期に丸1日と直前準備を取られます。理論上は同一年に両方可能ですが、2次は練度がものを言う試験なので、この組み合わせは勧めません。

シナジー: 効くのは「事業承継」と「社長の財布」の2点です

1. 事業承継 ― 最も接点が濃い

FP2級の6分野には「相続・事業承継」が含まれます。自社株評価、非上場株式の相続税・贈与税の納税猶予(事業承継税制)、遺留分、生命保険を使った納税資金対策、種類株式や信託の基礎。診断士が経営者から受ける相談で頻度が高いのが「誰にどう会社を渡すか」であり、診断士の事業デューデリや経営改善計画のスキルに、FPの「経営者個人の資産・税・保険」の視点が乗ると、法人と個人を一体で設計できます。診断士向けの解説でも、事業承継はこの組み合わせの最大の接点として挙げられます。

2. 経営者個人のライフプラン ― 中小企業は法人と個人が不可分

中小企業は「会社の財布」と「社長の財布」が連動します。役員報酬の水準設計(法人税と所得税・社会保険料のトレードオフ)、退職金原資、小規模企業共済・iDeCo・経営者保険、社長の住宅ローンと個人保証、廃業時の生活設計。経営計画を作るときに、社長個人のキャッシュフロー表とライフイベント表を同時に描けるのはFPの技術です。診断士のテキストには、ここがほとんど載っていません。

3. 不動産・福利厚生という提案の入口

FPの「不動産」分野は、遊休不動産の活用・売却、担保評価、賃貸事業の収支シミュレーションで補完的に効きます。「ライフプランニングと資金計画」で扱う社会保険・公的年金・医療・介護の制度知識は、退職金制度の見直しや企業型DC導入時の従業員向け投資教育といった、診断士単独では入りにくい提案の入口になります。ここは社労士の領域と重なりますが、前述のとおり診断士の社労士保有率はわずか6.1%。制度の全体像を語れるだけでも差は付きます。

4. 学習面の重複

診断士1次の「財務・会計」(企業価値評価、ポートフォリオ理論、正味現在価値)はFPの金融資産運用と、「経営法務」(会社法、相続、知財)はFPの相続・事業承継と、「中小企業経営・政策」は事業承継税制や小規模企業共済と重なります。

顧客層が違う、という最大の論点をどう評価するか

FPの主戦場は個人(家計・保険・住宅・老後・相続)、診断士の主戦場は法人(経営・財務・販路・組織)。顧客層が違います。「違うから広がる」と書く記事が多いのですが、私はもう少し慎重に見ています。

顧客層が違うということは、営業導線が二重になるということです。個人向けの相談を取るには個人向けの集客が要り、法人向けとは媒体も単価も契約形態も違います。両方を本気でやるとリソースが分散します。公式アンケートでも診断士の専門分野1位は経営企画・戦略立案28.4%、次いで財務12.2%、販売・マーケティング12.1%で、個人向け資産設計は主戦場になっていません。

それでも組み合わせが機能するのは、「個人向けFP」ではなく「法人オーナー個人向けFP」に絞ったときです。相手は不特定多数の家計ではなく、すでに関与している顧問先の社長。法人の経営支援という入口があるうえで、社長個人の承継・退職金・保険まで見る。この形なら導線は一本のままで、提供価値だけが厚くなります。個人向けFP業務を新規で立ち上げるなら、それはダブルライセンスというより、事実上もうひとつの事業を始める話です。

なお、「ダブルライセンス保有者は年収が数百万円高い」といった数字がWeb上に流布していますが、元の調査の所在が確認できず、この記事では扱いません。診断士の年収の実像は別記事でまとめています。

どちらを先に取るべきか

診断士が本命なら、原則は「FPを先に、ただし軽く速く」。根拠を4つ挙げます。

  1. 投下時間が非対称。FP2級150〜300時間に対し診断士は1次だけで800〜1,000時間規模。診断士の学習にFPで取り切れる論点を混ぜても総量はほぼ増えませんが、逆順だと合格までの数年間「使える資格ゼロ」の期間が続きます。
  2. 日程が完全に自由。CBT随時なので、診断士のスケジュールを壊さずデッドスペースに押し込めます。
  3. 知識の流れがFP→診断士の向きに効く。税・社会保険・相続・金融商品は1次3科目の下地になります。
  4. 長期戦のモチベーション管理。3級(85%前後)→2級(学科47〜55%)と刻んで合格体験を挟むのは、複数年戦になりやすい診断士の精神衛生上も合理的です。

ただし「診断士を先に」が正解になるケースもあります。

  • 診断士1次の受験年が決まっていて残り1年を切っている場合。7科目の学習は連続性が命です。FPは1次後(8月以降)に後ろ倒しします。
  • 公的支援機関の専門家派遣や認定支援機関など、診断士が明確に要件になっている場合。収益に直結する側から取ります。
  • 2級の受検資格。2級は「3級合格」「FP業務2年以上の実務経験」「AFP認定研修修了」等のいずれかが必要です。金融機関勤務で実務2年に該当するなら3級を飛ばせるので先行コストがさらに小さく、逆に実務経験がなく3級を受ける時間も惜しいなら、FPは後回しで構いません。
時期 やること ねらい
〜7月 診断士1次に全振り。FPには触れない 1次の得点を毀損しない
8月〜9月上旬 1次直後の空白期にFP3級をCBT受検 合格発表待ちの時間を回収
9月〜10/25 診断士2次に全振り 2次は練度勝負
11〜12月 2次終了後にFP2級をCBT受検 結果待ち期間の有効活用
翌年以降 FP1級/CFPは専門を決めてから判断 1級実技は9月・年1回で2次直前と近い

FPを取るべき人・取らなくていい人

取る価値が高いのは、事業承継や経営者の資産設計を専門にしたい人です。顧問先の社長から「そろそろ息子に」と言われたときに、自社株評価と納税資金と遺留分の話を一次受けできるかどうかで、その後の関与が変わります。金融機関や保険会社に勤めていて、法人営業に軸足を移したい企業内診断士にも直接効きます。

逆に、IT・生産管理・マーケティングを専門にする人が「なんとなく箔付けで」取る意味は薄いです。診断士の保有資格2位が情報処理技術者16.0%であることが示すとおり、専門領域に沿った資格を選ぶほうが素直です。目的が定まらないなら、FPは3級で止めて診断士に資源を集中する判断も十分に合理的だと思います。

最後に、繰り返しになりますが押さえておいてほしいことがあります。FPも診断士も独占業務のない名称独占資格で、資格の枚数それ自体は1円も生みません。この組み合わせの価値は「両方持っている」ことではなく、「法人と個人を一体で設計できる」という具体的な提供価値に束ねられるかどうかにあります。そこまで描けているなら、FPは2万円と数か月で買える、かなり割のいい投資です。

関連記事: 中小企業診断士のダブルライセンス一覧中小企業診断士の年収独立の実態副業試験の難易度と合格率試験科目一覧登録の流れ勉強時間の相場診断士講座の比較

出典: 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士活動状況アンケート調査」令和8年5月公表・n=1,847(https://www.jf-cmca.jp/attach/enquete/kekka_r8.pdf )/日本FP協会 FP技能検定について(https://www.jafp.or.jp/exam/about/ )・試験概要(https://www.jafp.or.jp/exam/outline/ )・1級実技概要(https://www.jafp.or.jp/exam/outline/1fp/ )・試験日程(https://www.jafp.or.jp/exam/schedule/ )・試験結果データ(https://www.jafp.or.jp/exam/syutoku/ )・2級CBT移行のお知らせ(https://www.jafp.or.jp/exam/files/2fp_cbt.pdf )・AFP資格(https://www.jafp.or.jp/aim/afp/shikaku/ )/金融財政事情研究会 FP技能検定試験結果(https://www.kinzai.or.jp/ginou/fp/result-fp )/中小企業庁 令和8年度中小企業診断士試験について(https://www.chusho.meti.go.jp/shindanshi/2026/260205shindanshi.html )/日本中小企業診断士協会連合会 令和8年度試験日程(https://www.jf-cmca.jp/contents/010_c_/010_c_r08_shiken/R08_nittei.html )/参議院法制局「業務独占資格と名称独占資格」(https://houseikyoku.sangiin.go.jp/column/column114.htm )。FP各級の勉強時間の目安および診断士の学習時間目安は資格予備校が公表する二次情報で、試験実施団体は公表していません。きんざい実施分の合格率・受検手数料は公式サイトでの確認が必要です。