結論:平日は「維持」、休日は「仕上げ」。役割を分けないと3年もちません
社会人が学習時間を確保しようとすると、まず睡眠や休日を削る発想になります。私の3年間を振り返ると、時間そのものを増やした年より、使い道を組み替えた年のほうが結果に直結しました。
やっていたのは単純なことです。平日と休日で、学習の役割をまったく分ける。
| 区分 | 役割 | やること | やらないこと |
|---|---|---|---|
| 平日(スキマ時間) | 知識を維持する | 一問一答、講義動画の視聴、暗記カード | 過去問の通し演習、2次の答案作成 |
| 休日(まとまった時間) | 手を動かして仕上げる | 過去問演習、2次の答案作成、模試の復習 | 新規知識のインプットだけで終わること |
平日にまとまった演習をやろうとすると疲れて続かず、休日にインプットだけをしても翌週には忘れます。この役割分担がなければ、3年間の継続は無理でした。
平日の実際の割り当て
私が固定していた1日の流れです。合計で平日2時間前後、机に向かう時間はほぼゼロです。
| 時間帯 | 長さ | やること | 向く科目 |
|---|---|---|---|
| 朝の通勤 | 25分 | 暗記カードの新規+前日の復習 | 経営情報システム、経営法務 |
| 昼休み | 10分 | 朝に間違えたカードだけ | 同上 |
| 帰りの通勤 | 25分 | 講義動画を倍速で視聴 | 暗記3科目 |
| 夜(自宅) | 30分 | 財務・会計の計算を毎日 | 財務・会計/事例IV |
| 就寝前 | 10分 | その日の間違いを一巡 | 全科目 |
夜の30分だけは例外で、必ず机に向かいます。財務・会計は数日空けると計算の勘が鈍るためです。財務・会計の勉強法で書いたとおり、私の1年目の事例IVが36点だったのは、この毎日を怠った結果でした。
2次対策の時期は、この30分を『30日完成 事例IV計算問題集』を1日3問だけという運用に置き換えていました。
スキマ時間に「向く学習」と「向かない学習」
ここを取り違えると、時間だけ使って何も残りません。
| 学習内容 | スキマ時間との相性 | 理由 |
|---|---|---|
| 一問一答・暗記カード | 最適 | 1問10秒で完結し、中断しても損失がない |
| 講義動画の視聴 | 適 | 倍速で流せる。理解が浅くても回数で補える |
| 過去問の選択肢を1問だけ | 適 | 問題単位で区切れる |
| テキストの通読 | やや不適 | 文脈が切れると戻る手間が発生する |
| 財務・会計の計算演習 | 不適 | 電卓と筆記具が要る。中断すると途中式が消える |
| 2次の答案作成 | 不適 | 80分の連続時間が前提。細切れでは訓練にならない |
下2行が重要です。スキマ時間ですべてを片づけようとすると、最も配点の重い部分が手つかずになります。2次の時間配分は80分続けて解く経験でしか身につきません。
年次によって配分を変える

出典: 運営者提供(氏名・受験番号等はマスキング済み)
3年間、同じ配分だったわけではありません。その年に何を受けるかで、平日の中身を入れ替えています。
| 年 | 受験内容 | 平日のスキマで何をしたか |
|---|---|---|
| 1年目 | 1次7科目+2次 | スタディングの講義と一問一答をスマホで回す。1次は突破したが2次は213点 |
| 2年目 | 2次のみ(1次免除) | 事例の与件文を読み返す。ただし答案作成は休日に集約 |
| 3年目 | 1次7科目+2次 | 暗記3科目に平日を全振り。休日は財務と2次過去問 |
3年目が最も設計がはまった年です。経営情報システム・経営法務・中小企業経営政策は平日のスキマだけで伸びる科目だと割り切り、休日を財務・会計と2次に丸ごと空けました。
結果は模試で情報72点・法務68点・中小63点、7科目合計487点。暗記法に具体的な回し方を書いています。
休日の使い方:4時間を2ブロックに割る
休日に確保できたのは4時間程度です。これを2つに割ります。
| ブロック | 長さ | 内容 |
|---|---|---|
| 午前 | 2時間 | テキストの新規章を2セット、または2次の事例を1つ80分で通す |
| 午後 | 2時間 | 前週に解いた問題の復習+答案の見直し |
午後を復習に固定しているのがポイントです。新規に進む時間と、前に解いたものを見直す時間を分けないと、演習量だけ増えて理解が伴いません。
2次対策の時期は、午前に事例を1つ80分で解き、午後にふぞろいと突き合わせる形にしていました。ふぞろいの使い方で書いた読み比べは、この午後の2時間でやる作業です。
続けるための3つのルール
ルール1:ゼロの日を作らない
1日だけ完全に空くと、翌日のハードルが上がります。忙しい日は朝の通勤25分だけでも回します。量ではなく連続性を守る発想です。
ルール2:机に向かわないと勉強にならないという思い込みを捨てる
暗記3科目は、机に向かった時間とほぼ相関しませんでした。スマホで回した回数に比例して伸びます。逆に財務・会計は机の時間と直結します。科目によって「効く時間の種類」が違うと理解しておくことが要点です。
ルール3:複数年計画を前提に組む
ストレート合格率は約4.2%です。合格率の推移で書いたとおり、大半の人が複数年かかります。1年で燃え尽きる配分を組むと、2年目に何も残りません。私は3年かかりましたが、平日2時間・休日4時間という水準を落とさずに続けられたのは、この前提を最初に置いたからです。
やってみて効かなかったこと
| やったこと | 結果 |
|---|---|
| 早起きして出社前に机で1時間 | 睡眠時間を削っただけで、日中の集中が落ちた |
| 平日夜に2次の事例を解く | 80分を確保できず、途中で切れて訓練にならなかった |
| 休日に10時間まとめてやる | 後半の6時間は効率が落ちる。翌週の反動も大きい |
| 移動中にテキストを読む | 文脈が切れて戻る手間が発生。一問一答のほうが向いていた |
まとめ
| 論点 | 結論 |
|---|---|
| 基本設計 | 平日=維持、休日=仕上げ。役割を分ける |
| 平日の内訳 | 通勤往復50分+昼休み10分+夜の財務30分 |
| スキマに向く | 一問一答、講義動画、過去問の選択肢1問 |
| スキマに向かない | 財務の計算演習、2次の答案作成(80分の連続が必要) |
| 年次で変える | 受験内容に応じて平日の中身を入れ替える |
| 継続のコツ | ゼロの日を作らない。忙しい日は朝の25分だけ回す |
スキマ時間は「増やす」ものではなく「何に割り当てるかを決める」ものです。1日60分の通勤を暗記3科目に固定できれば、それだけで年間200時間を超えます。
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出典:学習時間の配分・模試得点はいずれも運営者本人の実データです。必要な時間および有効な学習方法には個人差があります。