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勉強法 更新日 2026.07.28 文・コンパス管理人

中小企業診断士の1年合格スケジュール|生命線は3〜4月に2次を触ること

中小企業診断士の1年合格スケジュール|生命線は3〜4月に2次を触ること

結論:1年合格は可能ですが、確率は約4.2%です

先に数字を置きます。令和7年度の実績で1次合格率23.7%、2次合格率17.6%。単純に掛ければ約4.2%が、いわゆるストレート合格率です。

この記事は「1年で受かる方法」を約束するものではありません。1年で仕留めにいく場合の設計と、その設計が崩れたときにどう2年目へ繋ぐかを書きます。私自身は3年かかりました(213点→226点→244点)。1年計画が崩れた側の視点も込みで書けるのが、この記事の立ち位置です。

大前提:8月1次と10月2次の間は2か月しかない

1年計画の最大の制約はここです。令和8年度の日程を置きます。

時期 できごと 残り期間
4月23日〜5月27日 1次試験の申込受付(Webのみ)
8月1日(土)・2日(日) 1次試験(7科目)
9月1日(火) 1次試験の合格発表 2次まで54日
10月25日(日) 2次筆記試験
翌年1月頃 筆記合格発表=最終合格 令和8年度から口述廃止

1次合格発表から2次まで54日。ここから2次対策を始めるのでは間に合いません。1年計画の成否は、1次の学習期間中に2次の準備をどれだけ仕込めたかで決まります

12か月の全体設計

8月試験から逆算した、前年9月スタートの想定です。総学習時間は1,000時間を目安にします。

時期 月数 主に何をやるか 目安時間
9〜11月 3か月 財務・会計を最優先で立ち上げる。あわせて企業経営理論 240時間
12〜2月 3か月 運営管理・経済学。財務は毎日30分を継続 240時間
3〜4月 2か月 2次の事例を月2本だけ解き始める。1次は過去問演習へ 160時間
5〜7月 3か月 暗記3科目(法務・情報・中小)に集中。7月上旬に模試 280時間
8月1〜2日 1次試験
8〜10月 2.7か月 2次に全振り。過去問5年分を複数周 200時間

合計1,120時間。勉強時間の相場で試算した1次800時間・2次200時間規模と整合します。平日2時間・休日4時間で、週18時間。年間で約940時間ですから、これでもやや足りません。ここが1年計画の厳しさです。

1年計画の生命線:3〜4月に2次を触る

この設計で最も重要なのが、3〜4月の段階で2次の事例を月2本だけ解き始めることです。

理由は3つあります。

第一に、2次の形式に慣れるのに時間がかかります。80分で与件文を読み、設問を解釈し、100字前後の記述を4〜5問書く——この一連の動作は、1次のマークシートとまったく別の技能です。80分の時間配分は、経験の絶対量でしか身につきません。

第二に、1次の学習の意味が変わります。事例I・IIは企業経営理論、事例IIIは運営管理、事例IVは財務・会計の応用です。2次を先に見ておくと、1次の知識を「使える形」で覚えるようになります企業経営理論の用語を、定義ではなく20〜30字の説明で覚えるべき理由がこれです。

第三に、8月以降の54日が「思い出す期間」になります。ゼロから始めるのではなく、3〜4月に触れた感覚を戻すだけで済みます。

私の1年目の失敗はまさにここでした。1次の延長線上で「知識を思い出す勉強」を続け、与件文を読んで文章で答える訓練にほとんど時間を割けていなかった。結果が213点、事例IV 36点です。

科目の着手順序は動かせない

12か月の設計で最初に財務・会計を置いているのは、この科目だけは順序を動かせないからです。

科目 着手時期 理由
財務・会計 9月(最初) 積み上げ型。毎日触れないと落ちる。2次の事例IVと同一論点
企業経営理論 9〜11月 2次の事例I・IIの土台。早く入れるほど2次の助走が伸びる
運営管理 12〜2月 範囲が広い。事例IIIにも接続
経済学・経済政策 1〜2月 抽象度が高い。60点台で十分と割り切る
経営法務 5〜7月 暗記。早くやると忘れる
経営情報システム 5〜7月 暗記8割
中小企業経営・政策 6〜7月 最後。白書が毎年変わる

詳しくは科目別の勉強順序にまとめています。この順序を守らないと、暗記科目を早く仕上げても8月に残らないという事故が起きます

7月上旬の模試を「判断材料」にする

運営者の1次模試 科目別成績(合計487点)
7月上旬の模試結果。下位の中小63点・経済64点を見て、残り3週間の配分を決めた
出典: 運営者提供(氏名・受験番号等はマスキング済み)

1年計画で唯一の客観的な中間指標が模試です。7月上旬に1回だけ受けるのを推奨します。

私の3年目の模試結果です。

科目 得点 そのときの状態
企業経営理論 82点 2次対策で毎日触れていた
経営情報システム 72点 動画1周済み
運営管理 70点 過去問3周
財務・会計 68点 事例IVと共通で毎日
経営法務 68点 暗記中心で仕上げ済み
経済学・経済政策 64点 グラフ問題を落とした
中小企業経営・政策 63点 白書を後回しにしていた
合計 487点 合格ライン420点に対し+67点

模試の使い道は、残り3週間をどの科目に配分するかを決めることだけです。私はこの結果を見て、中小企業経営・政策に週7時間・合計21時間を追加投入しました。模試を2回以上受けるのは時間の浪費です。7科目で5時間半、復習に3倍の時間がかかります。

1年計画が崩れたときの分岐

ここが本題です。4.2%という数字は、大半の人が崩れることを意味します。崩れ方によって、2年目の設計はまったく違います。

崩れ方 2年目の設計
1次不合格・科目合格あり 合格科目を免除申請し、残りに集中。科目免除参照。ただし得意科目はあえて受け直して貯金を作る選択もある
1次合格・2次不合格 1次免除の効力が翌年まで有効。2年目は2次に専念できる。最も有利な位置
1次合格・2次を2年連続で不合格 1次から受け直し。ここが最も重い。養成課程を検討すべき分岐点
1次不合格・科目合格もなし 着手順序を見直す。財務・会計を後回しにしていなかったか

2行目が私の1年目でした。1次に受かり、2次で213点。この位置なら、2年目は2次だけに1年を使えます。ただし私はそれでも226点で落ちました。落ちる人の共通点に書いたとおり、足切りゼロでも240点に届かないという壁があります

正直に書く:1年で狙うべき人・狙うべきでない人

条件 判断
週18時間以上を1年間確保できる 狙う価値がある
財務・会計または簿記の下地がある 狙う価値がある。最も時間を食う科目が短縮できる
3〜4月に2次の事例を触る余裕がある 狙う価値がある
週10時間程度しか取れない 2年計画にすべき。1年で全科目は仕上がらない
簿記の学習経験がまったくない 財務・会計に150時間以上を見込む。1年は厳しい
繁忙期が5〜7月にある 暗記3科目の仕上げ期と重なる。年度をずらすか2年計画に

下3行に当てはまるなら、最初から科目合格制度を使った2年計画で組むほうが合理的です。令和7年度の科目合格者は13,146人で1次合格者の3倍を超えており、複数年で積み上げる受け方が主流になりつつあります

まとめ

論点 結論
ストレート合格率 約4.2%。大半の人は複数年かかる
総学習時間 1,000時間規模。平日2時間・休日4時間で年940時間
生命線 3〜4月に2次の事例を月2本だけ解き始める
着手順序 財務・会計が最初、中小企業経営・政策が最後
模試 7月上旬に1回だけ。残り3週間の配分を決めるために使う
崩れたとき 1次合格・2次不合格なら2年目は2次専念で最も有利

1年計画で最も重要なのは、「1次に受かること」ではなく「1次の期間中に2次の助走をつけること」です。8月から2か月では、ゼロからは間に合いません。

関連記事: 令和8年度の試験日程合格率の推移勉強時間の相場科目別の勉強順序スキマ時間の設計直前1か月の過ごし方科目免除2次試験の全体像

出典:一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会「令和8年度中小企業診断士第1次試験案内」「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移」。学習時間の配分は運営者の実績にもとづく目安で、必要時間には個人差があります。模試得点・得点開示は運営者本人の実データです。