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勉強法 更新日 2026.07.28 文・コンパス管理人

中小企業診断士の2年計画|科目合格者は1次合格者の3倍。もう主流の受け方です

中小企業診断士の2年計画|科目合格者は1次合格者の3倍。もう主流の受け方です

結論:2年計画は「妥協案」ではありません。データ上、主流になりつつある受け方です

2年計画というと、1年で受からなかった人の次善策のように語られがちです。しかし公表統計を見ると、複数年で積み上げる受け方は明確に増えています

年度 科目合格者数 1次合格者数 科目合格者÷1次合格者
令和3年度 9,278人 5,839人 1.59倍
令和4年度 9,485人 5,019人 1.89倍
令和5年度 10,214人 5,560人 1.84倍
令和6年度 11,210人 5,007人 2.24倍
令和7年度 13,146人 4,344人 3.03倍

科目合格者は5年で1.42倍に増え、令和7年度は1次合格者の3倍を超えました。7科目を1年で仕上げるのではなく、2〜3年かけて積み上げる人が増えているということです。

私は1次を2回、2次を3回受けて合格しました。この記事では、科目合格制度を最初から前提にした2年計画の組み方を、制度のルールと自分の実績の両方から示します。

制度のルール:3つだけ押さえる

中小企業診断士第1次試験の申込者数・合格率・科目合格者数の推移
公表統計の右端が科目合格者数。令和7年度13,146人は1次合格者4,344人の3倍を超える
出典: 一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移」
ルール 内容
科目合格の条件 総合不合格でも、その科目で満点の60%以上を取れば科目合格
有効期間 翌年度・翌々年度の2年間。令和8年度に使えるのは令和7年度・令和6年度の科目合格のみ
申請が必要 自動では免除されない。Web申込時に科目合格年度の受験番号を入力する

もうひとつ、見落とされがちな点があります。1次に合格すると、それまでの科目合格による免除申請資格は消滅します。2次に2年連続で落ちて1次から受け直す場合、以前の科目合格は使えません。私が3年目に7科目すべてを受け直したのはこの理由です。

2年計画の基本設計:4科目+3科目

7科目をどう割るか。最も自然な分割は「積み上げ型4科目+暗記型3科目」です。

年度 受ける科目 目安時間 理由
1年目 財務・会計/企業経営理論/運営管理/経済学・経済政策 約570時間 積み上げに時間がかかる。2次に接続する3科目を含む
2年目 経営法務/経営情報システム/中小企業経営・政策 約240時間 暗記中心。短期集中が最も効く

この分割を推す理由は3つあります。

第一に、暗記3科目は同時にやるのが最も効率的だからです。私は3年目に、この3科目に診断士ゼミナールを併用して集中的に回しました。模試の結果は経営情報システム72点・経営法務68点・中小企業経営政策63点です。暗記法で書いたとおり、この3科目はスマホの一問一答で伸びる性質を共有しています。

第二に、2年目の負荷が軽くなるからです。1年目に570時間、2年目に240時間。2年目は1次の負担が半分以下になるので、その分を2次対策に回せます

第三に、2次への助走が長くなるからです。財務・会計、企業経営理論、運営管理は2次の事例I・II・III・IVに接続します。1年目にこの3科目を仕上げておけば、2年目は1年かけて2次を準備できます

逆の分け方(暗記3科目を1年目)はなぜ不利か

「簡単そうな暗記科目から片づける」という発想は、一見合理的に見えます。しかし2年計画では不利になります。

観点 積み上げ型が先 暗記型が先
2次への助走 1年目から2次に接続する知識が入る 2年目まで2次の土台がない
2年目の負荷 暗記240時間だけ。2次に時間を回せる 積み上げ570時間。2次まで手が回らない
白書の鮮度 中小企業経営・政策を最終年に受けられる 1年目に覚えた白書は2年目には古い
財務の維持 1年目に固め、2年目も毎日30分で維持 2年目に一から立ち上げる。事例IVが間に合わない

特に最終行が致命的です。財務・会計は毎日触れないと勘が鈍る科目で、しかも2次の事例IVと同一論点です。2年目に初めて着手すると、1次の財務と2次の事例IVを同じ年に立ち上げることになります

1年目に「あえて免除しない」判断

2年目の申込時、1年目に合格した科目を免除するかどうかを選べます。ここで機械的に全部免除するのは損になり得ます

理由は合格基準にあります。1次は総点60%以上かつ40%未満の科目なし。免除すると分母が減るため、残った科目で60%を取らなければなりません。得意科目を免除すると、その科目で稼ぐはずだった貯金が消えます

私の3年目の模試を例にします。

科目 得点 60点との差
企業経営理論 82点 +22
経営情報システム 72点 +12
運営管理 70点 +10
財務・会計 68点 +8
経営法務 68点 +8
経済学・経済政策 64点 +4
中小企業経営・政策 63点 +3
合計 487点 合格ライン420点に対し+67

余裕67点のうち34点を、上位2科目だけで作っています。仮に企業経営理論を免除していたら、残り6科目で360点が必要になり、余裕は405−360=45点に縮んでいました。

状況 判断
その科目で70点以上が見込める 免除しない。貯金が他科目の不作を吸収する
60点前後がやっと 免除する。浮いた時間を残り科目に回す
合格から時間が経ち知識が抜けた 免除する。再習得コストが新規科目と変わらない

詳しくは科目免除にまとめています。

2年計画の月次スケジュール

時期 1年目 2年目
9〜11月 財務・会計を立ち上げ+企業経営理論 2次の事例を月2本。財務は毎日30分で維持
12〜2月 運営管理・経済学 2次の過去問を年度単位で。事例IV強化
3〜5月 4科目の過去問演習 暗記3科目を立ち上げ。2次も継続
6〜7月 直前期。模試を1回 暗記3科目の詰め込み。模試を1回
8月1〜2日 1次(4科目受験) 1次(3科目受験)
8〜10月 —(2次の受験資格なし) 2次に全振り。ただし助走済み

この設計の要点は、2年目の9月から2次対策を始めていることです。1次の合格発表(9月1日)を待たず、1年目の試験が終わった直後から2次を触り始めます

理由は単純で、1次合格発表から2次まで54日しかないからです。1年合格スケジュールでも同じことを書きましたが、2年計画ならこの助走を1年分取れます。これが2年計画の最大の利点です

3年目に突入した場合の注意点

正直に書きます。2年計画も崩れます。私は3年かかりました。

最も重い分岐は「1次に合格したが、2次に2年連続で落ちた」ケースです。この時点で1次合格の効力が切れ、科目合格による免除資格も消滅しているため、7科目を一から受け直すことになります。

私の3年目がこれでした。2次対策と並行して1次7科目を仕上げる年になります。このとき採った配分は次のとおりです。

科目群 配分 結果(模試)
暗記3科目(法務・情報・中小) 診断士ゼミナールで集中投下 68/72/63点
2次接続3科目(財務・企業経営理論・運営管理) 2次対策と兼ねる 68/82/70点
経済学 維持のみ。60点台で割り切る 64点

2次と接続する科目を「2次対策で兼ねる」と割り切ったことで、1次の追加負担を暗記3科目に絞れました。結果は1次通過、2次244点で合格です。

この位置まで来たら、養成課程を検討する分岐点でもあります。登録者の24.4%が使うルートで、2次の不確実性を費用と時間で置き換えられます。

まとめ

論点 結論
2年計画の位置づけ 妥協案ではない。科目合格者は1次合格者の3倍超で主流化
分割の基本形 1年目に積み上げ4科目、2年目に暗記3科目
逆順が不利な理由 2次への助走が取れず、2年目に財務と事例IVを同時に立ち上げることになる
免除の判断 70点以上見込める科目は免除しない。貯金が他科目を吸収する
有効期間 翌年度・翌々年度の2年間。1次合格で免除資格は消滅
最大の利点 2年目の9月から2次に着手でき、助走を1年分取れる

2年計画で本当に効くのは、1次の負担を分散することではありません。2次の準備期間を1年確保できることです。1次合格から2次まで54日しかない以上、ここが合否を分けます。

関連記事: 1年合格スケジュール科目合格制度の使い方科目免除科目別の勉強順序合格率の推移暗記法・記憶術養成課程2次試験の全体像

出典:一般社団法人 日本中小企業診断士協会連合会「中小企業診断士試験 申込者数・合格率等の推移」「令和8年度中小企業診断士第1次試験案内」。学習時間の配分は運営者の実績にもとづく目安です。模試得点・得点開示は運営者本人の実データです。